盆栽に没頭する父

私の父は私が小さい頃からすっごい仕事人間で、ほとんど家にいませんでした。なので小さな頃から父に遊んでもらった記憶もないし、ましてや旅行に連れて行ってもらった事なんて一度もありません。そんな父がある時、身体を壊して1が月近く入院しました。

とりあえず、すっかり元気になって退院したので安心しましたが、退院してからの父は以前の父とはすっかり変わっていまったのです。あんなに仕事人間で朝から晩まで働いてお休みもろくに取らなかったくせに、急にマイホームパパのようになったのです。ある日、母と私と妹に”3泊くらいで旅行に行こう”と言いだしたのです。

20歳もとうに過ぎた私と妹は当然とまどったのですが、人生初の家族旅行だよって母にいわれ、しぶしぶ行くことにしました。だって、ものごごろ付いた時からほとんど父と口をきいたことも数えるほどしかないのに旅行に行っても何を話したらいいのか・・・旅行先は山梨県になりました。横浜に住んでいるので、旅行にいく時が3月ということもあって、距離的にも近いしなんといっても温泉がたくさんあるし!温泉がたくさんあるなら3泊でも大丈夫かなっていうのも理由の一つでした。

でも、その山梨県の旅行先で父はなんと運命の出会いをしていまったのです。その出会いとは梅の花です。ちょうど3月頃って山梨県は梅が見頃なんです。で、たまたま立ち寄った梅の盆栽の展示即売会によったらそこの館長さんに盆栽のよさをたっぷり聞かされてなんと帰りには5鉢も盆栽を購入していました!それからというもの、今までは朝から晩まで働いていた人が定時には帰宅して盆栽のお手入れ。盆栽の育て方の本もたくさん購入しました。”盆栽は手をかければ何百年も長持ちするんだ。お父さんが亡くなったらこの盆栽をお父さんだと思って大切にしてくれ!”とかいわれても・・・ずっと元気だった人が入院すると性格まで変わるだ!ってつくづく思いました。